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発達障害(ASD、ADHD)
主な症状
発達障害は、脳の機能的な偏りに関連して生じる疾患であり、日常生活、社会生活、学業、職業上における問題が発達期からみられる疾患です。生まれた時からの先天的な特性であり、育て方などに問題があったからなるものではありません。発達障害の代表的な疾患としてASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如・多動性障害)があります。
ASDは言語やコミュニケーションの障害や自分ルールや強いこだわり、限定された強い興味や関心、感覚の過敏さもしくは鈍感さなどの症状を特徴とする疾患です。言葉を文字通り受け止めてしまい、冗談や言葉のニュアンスを理解しにくいなど社会におけるコミュニケーションに問題を抱えている方が多く、二次的に適応障害や抑うつ状態を生じることもあります。
ADHDは不注意・集中力の散漫さや多弁・多動、衝動的あるいは短絡的行動などの症状を特徴とする疾患です。小学生の頃からの忘れ物や落とし物が多い、ぼんやりして先生の話を聞いていない、じっと待てない、突発的な行動で怪我が多い、テストでケアレスミスが多いなどの症状で気づかれることがあります。「おっちょこちょい」や「おてんば」「お調子者」と思われ、見過ごされていることもあります。症状が幼少期から続き、その程度が強く、家庭や学校、職場などでの生活に支障をきたしている場合にADHDと診断されます。
ASDもADHDも連続するスペクトラムであり、診断がついたとしても病気か病気ではないか、白黒はっきりつくものではありません。また、ASDとADHDを合併している方も稀ではありません。自身の特性や得意・不得意を理解し、前向きに社会生活に上手く適応していくことが重要です。
治療方針
ADHDの治療は注意力・集中力に合わせた環境調整、衝動的・短絡的な行動を減らす行動療法、そして薬物療法を組み合わせておこなわれます。ADHD治療薬としてはメチルフェニデート徐放薬(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)、グアンファシン(インチュニブ)の3種類が使用されます。
ASDの治療は本人の特性に合わせて環境を調整したり、こだわりや決まった行動パターンを周囲に適応できるよう徐々に修正したりすることが治療の中心となります。アドリブやイレギュラーな出来事への対応が苦手なことが多く、あらかじめ先の予定が見通せると安定した社会生活に繋がります。耳からの情報よりもテキストや図など目からの情報の方が理解しやすいなど伝え方の工夫も必要です。根本的治療薬はまだありませんが、衝動性やイライラ、常同行動などの緩和のために対症的に抗精神病薬が使用されることもあります。
上記のような症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。